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 ホールに勤務する音響PAエンジニアには、専門職として配置されている場合や、音響の知識のない電気設備担当者を音響PAと兼務させている場合、ホールに委託された業者から音響PAが派遣されている場合、まったく音響PAを配置せずにホールをレンタルした主催者にすべて任せている場合など、ホールによって様々な運営がなされています。

 音響PAの担当がホール職員の場合には、その仕事としては、利用者との打合せやいわゆる「乗り込み」と呼ばれる外部の音響・照明業者に対する窓口としての役割を持っています。

 ホールの設置者は、企業、国・地方自治体、第三セクター、独立行政法人など様々ですが、誰でもがレンタルできるホールと、特定の人や目的にしかレンタルさせないホールなどレンタルの形態も様々です。どのホールにも、音響PA機材・機器は常設されており、レンタルする必要はありません。

 しかし、音楽ホールをレンタルするミュージシャンの場合などでは、ホールに常設の音響PA機材・機器を使用せずに、自ら持ち込むケースがほとんどです。これは、音響PA機材・機器のメーカーや型番によって音質などがまったく異なってくることから、自らが求める音質が再現できる音響PA機材・機器を使用しているからです。

 イベント関係の音響PAエンジニアの仕事は、数十人程度の小さな講演会のイベントからオリンピックやワールドカップ、国際会議などの数万人規模になる大イベントまで多岐にわたるのが特徴です。イベント関係の音響PAエンジニアの活躍の場としては、企業や国・地方自治体などが主催する講演会、トークショー、各種プロモーション、スポーツイベント、学会発表など分野も多岐にわたり、年間を通じて開催される件数もかなり多いのが特徴です。

 小さなイベントでは、音源が司会者と演者のマイク2本というシンプルなものですんでしまいます。例えば、スピーカー×2、スピーカースタンド×2、パワーアンプ×1、ミキシングコンソール×1、CDプレイヤー×1、マイク(スイッチ付き)×2、マイクスタンド×2、ディストリビューター×1といった音響PAの構成になり、レンタルする機材機器も数が少なくてすみ、音響PAエンジニアの仕事も一旦セットしてしまえば終わりというものがほとんどです。

 しかし、国際的なイベントともなると、中継回線やミキサーのレンタルや、百チャンネルを超えるマイクのレンタルなどレンタルする機材・機器の多さもさることながら、音響PAエンジニアも当日は目が回るほどの忙しさになります。また、イベントの演出上で必要になるストリングスなどの効果音や音楽の再生も担当するため、イベントの進行からも目を離すことができません。このようにイベント関係の音響PAエンジニアの仕事は、規模によってまったく異なる仕事といってよいほどの内容となっています。

 演劇関係の音響PAエンジニアは、音楽関係と同じレベルの音響PA技術力が求められる分野です。演劇関係の音響PAエンジニアは、一度、音響PAの機材・機器のセッティングをすると大部分の仕事が終わりというわけではなく、舞台の進行に合わせて、劇伴と呼ばれる劇中音楽や効果音の送り出しも行います。また、音響PAエンジニアは、ミュージカル、大衆演劇、人形芝居など演劇の種類によって、レンタルする機材機器、それらの配置、音量などすべて異なるものを選定してセッティングを行います。

 比較的大規模なミュージカルのように、音楽が録音されたものではなく生演奏される場合には、演奏のミキシングを操作する音響PAエンジニアと役者の台詞をのミキシングを操作する音響PAエンジニアがそれぞれ担当することになります。こうしたミュージカルの場合には、客席向けのスピーカーも音楽用と台詞用に分けて設置されています。

 また、最近では、ワイヤレスのヘッドセットの性能が向上したことから、役者に小型のヘッドセットを装着することも多くなり、ワイヤレスマイクの使用量が多くなってきています。ただ、舞台への登場人物が多くなってくると、ワイヤレスマイクで使用できる周波数は限られているため、音響PAエンジニアの腕の見せ所と鳴ります。

 一方、小劇場など恵まれた環境にないところでは、こうした専任の音響PAエンジニアを置くことなく、音響PA機材・機器のレンタル、設置、調整のほか、照明までを含めて劇団員自らが行っているところもたくさんあります。

 音楽関係の音響PAエンジニアは、一番数が多く、仕事も多く受けることから、音響PAに関する知識や能力が高い人が多いのが特徴です。音響PAの仕事としては、音響PA装置を操作し、舞台上の演奏される音を会場の音響特性に合わせて、最適な音質で提供することが求められます。広い会場内のどの場所でも同じ音量と音質で聴けることが求められ、楽器演奏者や歌手によっては、音質に強いこだわりを持った人もいるので、強いリクエストを求めてくることもあることから、それに瞬時に応える音響PAの調整能力も求められます。また、ベテランの音響PAエンジニアは、そうしたことを事前に予測してレンタルする機材機器を決定しています。レンタルするメーカーや機材・機器によって、音はまったく異なったものになるからです。さらに、クラッシック、ジャズ、ロックなど音楽の種類によっても、レンタルする機材・機器、それらの配置、音量などすべて異なるものになります。

 音響PAが一つのイベントにかかわる標準的な編成は、チーフエンジニア1人とアシスタント1~数人となります。チーフエンジニアは客席に提供する音の最終責任者であり、作業の監督者でもありますが、チーフエンジニアが自ら音響PAの音のミキシング作業を行うこともあります。

 こうしたミキシング作業を行う音響PAの席は、観客席の真ん中から後方に配置されることが多く、舞台上のマイクセッティング、チェックなどはチーフがアシスタントに指示を出して共同作業で行っています。イベントの規模が大きくなると、これに舞台上のモニターシステムの調整を担当する音響PAエンジニアが加わることもあります。モニターエンジニアは、舞台上の演奏者とコミュニケーションを取り合って、複数のモニタースピーカーやイヤホンのバランスを個別に調整するのが仕事です。

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