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PAは別項目で触れたようにPublic Addressの略で音響機材・機器の拡声装置全般を指す言葉ですが、それと似た言葉にSRというものがあります。SRは、Sound Reinforcementの略で、一定規模以上で多チャンネルの音響装置をレンタルして使用するコンサートなどの音楽の音響システムのことを指します。
PAは会議などの簡単なマイク、スピーカ、アンプといった音響機材・機器が含まれるのに対して、SRの場合には、舞台音響のように入力される音声チャンネルが多くなり、出力もステレオ化やサラウンド化されたりするなかで、大ホールや野球場などの大規模会場であっても、観客の隅々まで音質や音量を均一化することが要求されます。これを実現するために、アンプ・スピーカーの高効率化・高性能化が図られたり、入出力間の音質の差を縮小させるためにプロセッサーを搭載した機材・機器もあります。
ドーム球場やアリーナと呼ばれる会場におけるコンサートでは、観客席の広さに対応するため舞台付近に設置されるスピーカのほかにも、より聴衆に近い場所にスピーカが設置されることもあります。この場合、すべてのスピーカーから同時に音声を出力すると伝達時間の差によって音質に影響が出るため、一部のスピーカーでは音を遅らせるような手法がとられています。
また、リハーサルと本番では聴衆の変化や室内の温度・湿度、機材の稼働時間などが音質に影響を与えるため、本番中になっても常に音響を測定して、リアルタイムに補正することで変化に影響されにくいシステムが構築されているのも大きな特徴です。
このようにSRはPAと同じように音響機材・機器を扱うにもかかわらず、高性能の機材・機器を扱うと共に、セッティングには高度な技術が必要になっています。ただ、実際には、厳密にSRとPAを区別せずに、SRであってもPAと呼ぶことも多いのが実態です。
PAという言葉は、英語のPublic Addressの頭文字からきています。この意味は、直訳すると「大衆演説」ですが、「大衆に伝達」することになります。このため、コンサート会場だけでなく、野球場のアナウンス、電車のアナウンス、デパート内の放送、運動会の放送、会議のマイクなどすべての放送設備のことを指します。PAはコンサート会場では特に重要な位置づけとなっており、いくつかの音声的な入力に対して、それらを統合し、音量などの調整を行い、観衆に向けて一まとまりの音の集合体を提供する装置全てのことを指します。また、こうした音響機材・機器をセッティングしたりオペレートする人を指す場合もあります。
また、一口にPAといっても、会議室のマイクの使用など最低限のPA音響機材・機器から、お祭りやカラオケ大会など数百人が集まる中規模用のPA音響機材・機器、さらには、何千人、何万人も集める野外コンサートのPA音響機材・機器まで、使用するPA音響機材・機器の数も異なれば、性能も異なったものとなっています。PA音響機材・機器は、会場の広さや屋外か屋内かといった違いなどに応じて、適切なものを適切に配置し、適切にチューニングすることが求められます。
こうしたPA音響機材・機器は非常に高価なものが多いのですが、レンタルショップでリーズナブルな価格でレンタルすることもできます。音響の素人が主催者となる学園祭・文化祭や地域のお祭り、あるいは企業などが開催するイベントなどにおいては、PA音響機材・機器をレンタルするだけでなく、その設置や調整、オペレーションまでを含めて専門のレンタル業者に依頼している状況にあります。